龍神楊貴妃伝

謎の預言書・野馬臺詩

●「江談抄・吉備入唐の間の事」に書かれた「宝誌の予言書」

 「野馬臺詩(やまたいし)」という文書をご存知ですか?
 「知っている!」と答えた方は「野馬臺詩」と聞いただけで、ワクワクするような感覚を覚えていらっしゃるかもしれません。amazonなどで探すと、何 十冊という関連本が出て来ます。「野馬臺詩」は、歴史に登場して以来、ずっと人々を魅了し続けてきました。

 「野馬臺詩」は、平安時代末期に、秀才として知られた「大江匡房(おおえのまさふさ)」の語った言葉を集めた「江談抄(ごうだんしょう)」という書物の 中の「吉備入唐の間の事」という吉備真備(きびのまきび)が唐の国で、スーパーマンのように活躍する物語の中に、吉備真備が読み解き、日本に持ち帰る文と して収録されています。
 西暦500年頃、中国の南北朝時代に活躍した予言者「宝誌(ほうし)」が日本の未来を予言した書だと伝わり、神秘主義者達の間では、ノストラダムスやマ ヤの予言書のように、今も解読作業が続いています。
参考 ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/ 野馬台詩
 次のような文です。

野馬臺詩
  この図のうち、上記が「野馬臺詩」と呼ばれるものの本文です・・・このままでは、読めないと伝わり、吉備真備は、観世音菩薩の力を借り、蜘蛛(くも)の糸 の導きによって、下図のように、●から▼の順番に文章を読み、難を逃れたと「江談抄」には書かれています。
  「江談抄」は、平安時代末期に書かれたものですが・・・この「野馬臺詩」自体の出典は、さらに時代を遡ります。

●奈良時代には伝わっていた「野馬臺詩」

  平安時代中期(936年)に書かれた日本書記の解説書「日本紀(にほんきの)私記(しき)丁本(ていぼん)」に日本を「姫氏国」とする説が あるかという 質問に対し、宝志の予言書に「東海姫氏の国」とあり、皇室は女神の天照大神を始祖とし、また女帝の神功皇后がいるから、日本を姫氏の国と称したとして野馬 臺詩が引用されています。

  また、現存する文献の中では、鎌倉時代に成立した『延暦寺(えんりゃくじ)護国縁起』に「丹水流盡後 天命在三 公 
百王流畢竭 猿犬稱英雄 
星流飛野外 鐘鼓國中喧 
青丘與赤土 茫茫遂為空
 已上
 延暦九年(790年)注云」と書かれていて、この文が、少なくとも、奈良時代の末期には、存在したらしいことがわかっています。(また文から「野馬臺詩」 が、伝わった初期から下図のように読む暗号文とされていた事もわかります。)
  一般には、偽書(ぎしょ)だと言われ、歴史や文学研究者の中では、際物(きわもの)扱いですが・・・それでも、このように、とても古くから 伝えられてき た文書である事に疑いはありません。

●「野馬臺詩」には楊貴妃の謎が隠されている!

  私も、実は・・・これを「宝誌の予言書」としては、偽書だと思っています。しかし、そのかわり、私は、後に「安倍晴明前世譚と吉備入唐伝説」の中で 述べるある理由から、この「野馬臺詩」には、楊貴妃の秘密が隠されているのではないかと想像しました。
  楊貴妃は、「安史の乱」で死なず、日本に渡った。そして、時の女帝「孝謙天皇(こうけんてんのう)」に唐の戦乱と皇帝の安否を伝えるため に、この野馬臺 詩を書いたのだ・・・この野馬臺詩を解析(かいせき)した結果、私は、楊貴妃渡来を本気で考えるようになったのです。

参考

●野馬臺詩の預言書としての読み方

東海姫氏国  東海、姫氏の国 百世代天工  百世、天工に代る
右司為輔翼  右司、輔翼となり 衡主建元功  衡主、元功を建つ
本枝周天壌  本枝、天壌に周く 君臣定始終  君臣、始終を定む
谷填田孫走  谷填(み)ちて田孫走り 魚膾生羽翔  魚膾(かい)羽を生じ翔る
葛後干戈動  葛の後、干戈動き 中微子孫昌  中微にして子孫昌んなり
白龍游失水  白龍游ぎて水を失い 窘急寄胡城  窘(きん)急にして胡城に寄す
黄鶏代人食  黄鶏、人に代わりて食し 黒鼠喰牛腸  黒鼠、牛腸を喰う
丹水流盡後  丹水流れ尽きて後 天命在三公  天命三公に在り
百王流畢竭  百王流れ畢(ことご)とく竭きて  猿犬称英雄  猿犬、英雄を称す
星流鳥野外  星流れて野外に飛び 鐘鼓国中喧  鐘鼓、国中に喧(かまびす)し
青丘与赤土  青丘と赤土と 茫々遂為空  茫々として遂に空と成らん
意味
東海にある姫氏の国(日本)では、百世にわたって天に代わり(人の治める国になった)、左右の臣下が国政を補佐し、宰相が功績を打ち立てた、初めはよく法 治の体制を整え、後にはよく祖先を祀った、天子と臣下は天地にあまねく、君臣の秩序はよく定まった、(しかし、)田が埋もれて貴人が逃げまどい、なますに 突然羽が生えて飛ぶ(下克上の時代になった)、中頃に衰え、身分の低い者の子孫が栄え、白龍は水を失い、困り果て異民族の城に身を寄せた、黄色い鶏が人に 代わってものを食べ、黒い鼠が牛の腸を喰らった、王宮は衰退し、天命は三公に移った、百王の流れはついに尽きて、猿や犬が英雄を称した、流星が野外に飛 び、(戦いを告げる)鐘や鼓が国中に響いた、大地は荒れ果て、果てしない世界は無に帰した。
解釈(※この他にも、様々な解釈がされています)
東海にある姫氏の国は、百代にわたって代々栄える。優れた臣下に補佐され、はじめは、法治の体制が整備され、祖先を祭り、主君と臣下が支えあい、国は理想 的に治まっている。 しかしある時から蔦がはびこるように戦乱がひろがり、中ごろには衰微し、下賎の者の子孫が栄えるようになる。そのため王家の力も失われ、世の秩序が崩壊し て、下克上の状況になった。王の権力は失われて、天命は三公の貴族に移る。百代続いた天皇の治世は終わり、猿犬が英雄を称するようになる。そして国中に戦 乱が起こり、国土は荒廃して、ついには空しいものになるだろう。

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