私が、最初に、日本(熊野)に楊貴妃が来たと聞いたのは、2011年、あの東北での未曾有の大震災のあった年の5月、中国で楊貴妃の墓の前での事でした。
私が、龍神村に移住したのが、それからしばらくした7月・・・・。
村民センターで龍神温泉の古絵図を見たのが11月・・・その古絵図をいただき、そこに、「やうきひ櫻」と書かれた桜の樹が描かれているのに気がついたのは、おそらく、その年の12月に入ってからだったでしょう。
そこから、始めて、楊貴妃が来たという熊野とは、龍神村ではないかと疑いをいだき、本格的に考え始めたのは、その次の年「やうきひ桜」の花が開き、それが、普通のオオシマザクラである事を確認してからでした。
商工会で発表していただけるというので、本格的に調べ始め、半年後の9月には、今、書いている事のほとんどのアイディアが浮かんでいました。
始めは、新しい龍神村の「楊貴妃伝説」を作るつもりだったのですが、そのうち、私自身も考えもしなかった証拠が続々と集まり始め、それは「伝説」の域を超え、本当の「楊貴妃渡来説」というべきものに変わってしまっていました。
私から、この「楊貴妃渡来説」の構想を聞いた友人は、この楊貴妃伝を、私のライフワークになると言っていましたが、このとき、私は、おおげさだと思っていました。
発表すれば、それで終わり・・・そういった性質のものだと思っていたのです。・・・しかし・・・その友人の預言はあたりました。
私の発表は地域で受け入れられませんでした。そこで、次に、出版社に持っていこうと幾つもの出版社にあたりましたが、そこでも断られました。
あるいは、ただの荒唐無稽な「楊貴妃渡来伝説」であれば、受け入れていただく事が出来たのかもしれません。しかし、本格的に立証しようとした私の「楊貴妃渡来説」に、理解を示してはくれませんでした。
私の時間は、それ以来、止まったままです。
「ライフワーク」とは、その物事の探求をする事ではなく、これを他人に理解をしていただくためにかける努力と時間なのだと、わかった気がします。
どうやら、私と他人(ヒト)とは、考え方が違うらしい・・・私は、物事を理論的に正しいと考えられるならば、検討に価すると考えるし、多くの立証で、それが裏付けられたなら、他の誰も言っていなかったとしても、それを、最も真理に近いと判断します。
しかし、他の人は、多くの人がそれを言っているか・・・あるいは、専門家とか・・・権威と言われる人が、言っている事で、真偽を判断します・・・・。
考えてみれば、子どもの頃から、私は、それで多くの人とぶつかってきました。
小学生の時には、住んでいた周辺にサンショウウオやアライグマがいる事を言い出して・・・父母からも、友達や、まわりからも「デマを言うな!」「常識で考えろ!」「こんな町に、サンショウウオやアライグマがいるわけがないだろう!」・・・とずいぶん、叩かれました。
同じものを見て、他人は、イモリだとかタヌキだとか言い・・・私に賛同してくれる人は誰もいませんでした。このためもあって、私は孤立し・・・変な事を言う奴だと当時は、ずいぶんと、ひどいイジメにあいました。(例えば、便器をこするタワシで顔をこすられた事もあります。後は、想像してください。)
学習障害を引き起こし、特殊学級に送る事も先生方から真剣に検討されました。
(ちなみに、私の言っていた事は、後に、他人の発見によって、カスミサンショウウオが地域にいる事が明らかになりました。また、アライグマが野生化している事は、現在、広く知られていますが、この時は、まだ、知られていませんでした。)
両親や先生方は、ずいぶん、心配して、他人の意見にしたがう素直な人間に育てようとしてくれました。私も、他人と違う事を言う事が、自分に益をもたさ
ず、社会から孤立し、自分を不幸にするだけだという事を充分すぎるほど学習しました。しかし、三つ子の魂、百までもと言いますか・・・・
あるいは、馬鹿は死ななきゃなおらないと言いますか・・・・今でも、他人から見れば、いろいろと馬鹿げた戯言を言っているようです。
この「龍神楊貴妃伝」も、その一つと言ってよいでしょう。
私自身は、これを馬鹿な事を言っているとは、ちっとも思っていませんが、それを判断するのは、自分ではなく、他人です。
発見や発明をする事は、本当は、簡単な事なのかもしれません。それを、他人に納得していただく事が、実は、とても難しい。・・・・世の中には、他人に理解されず、検討もされず、消えていった発明や発見が無数にある事でしょう・・・。
おそらく、この「龍神楊貴妃伝」もその一つで、消えていく運命にあるものなのでしょう。
しかし、現代では、インターネットという手段があります。私は、これに頼る事にしました。
サイトには、あからさまに人を陥れようとするデマがあふれていますし、情報を悪用しようとする人もいます。この「龍神楊貴妃伝」も、今まで、発表した事を、霊能力者などと名乗る狂信者に利用されている事も知っています。
ですから、インターネットで私の考えを報告することを、私は、あまり、よい方法だとは思っていません。しかし・・・それでも、私の頭の中で、他人に検討される事なく・・・消えていくよりはましでしょう。
世の中には、多くの人がいます。
中には、私と同じように真摯に考えていただける人も、ひょっとするとあるかもしれません。
そこに、一縷の望みをかけて、この「龍神楊貴妃伝」を発表します。
もうすぐ、親父の亡くなった年齢になります。私の生命のつきるまでに、この龍神楊貴妃伝を世に問う機会があることを願うばかりです。
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