龍神楊貴妃伝

安禄山(楊貴妃におむつを穿かされた男)

 楊貴妃は玄宗に気に入られ、楊貴妃のお気に入りの人間は、それだけで出世をしたと伝えられています。
 史暦上の楊貴妃の死の原因となった安史の乱を引き起こした安禄山(あんろくざん)も、その1人でした。
 玄宗は、地方の駐屯軍の将軍と財政官を兼ねた節度使(せつどし)という制度を導入しました。そして、この節度使に蕃将(はんしょう)という異民族出身の将軍を登用しました。
 安禄山(あんろくざん)は、ソグド人の有力者の血筋に生まれ、母は、突厥(とっけつ)人でした。玄宗は、彼を「雑胡」と呼び、可愛がっていたようです。

 安禄山が手柄をたて、宮廷に呼ばれた時、どうやら、安禄山は、楊貴妃にハートを射抜かれてしまったようです。

 安禄山は、安禄山の方が、14歳も年上であるにもかかわらず、楊貴妃の養子になりたいと申しで、これを認められると、それからは、不敬にも、玄宗皇帝ではなく、まず、楊貴妃の前にひざまずき、挨拶をしたといいます。
 それを、玄宗に咎(とが)められると、安禄山は「胡人は、母に先に礼をします。」と答え、玄宗に、ますます気にいられたといいます。
 そして、安禄山は、「あなたの赤ちゃんですよ!」とおむつをしてもらって、赤ちゃんプレイをしたといいます。

 よっぽど、楊貴妃にデレンデレンだったのでしょうね。
 こうして、楊貴妃に気に入られた安禄山は、玄宗の信頼を得て、平盧(へいろ)・范陽(はんよう)・河東(こうとう)の三節度使を兼ね、当時、最大の軍事力を持つ事になりました。

 安禄山が、反乱を起こした時、玄宗は、始め、これを信じなかったといいます。
なぜ、安禄山は、反乱を起こしたのでしょうか?
 一般に、宰相である楊国忠(ようこくちゅう)を、恐れたためと言われています。楊国忠は、楊貴妃の又従兄弟で、安禄山と権力を争っていました。そして、盛んに、玄宗に、安禄山の危険性を讒言(ざんげん)していました。
 しかし、すくなくとも、安禄山は、楊貴妃を殺害するつもりはなかったでしょう。あるいは、安禄山は、楊貴妃を自分の物にしたいがために、反乱を起こしたのではないか?・・・私には、そうとすら思えます。

 楊貴妃の死を聞いたとき、安禄山は、数日間、嘆(なげ)き悲しんだと言われています。(「楊太真外伝」) そして、長安を落としてからも、玄宗達の後を 追撃する事もなく、酒と女遊びで、どんちゃん騒ぎをしたあげく・・・楊貴妃との想い出の詰まった長安にいる事に、堪えられなくなったのかもしれませ ん・・・・。せっかく落とした長安を離れ、洛陽に移り、自暴自棄な生活の末、長安を陥落させてから、わずか、半年後に、息子の安慶緒(あんけいしょ)に暗 殺されてしまいます。

 おそらく、安禄山は、楊貴妃を失ったとたんに、その生きる目的を失ったのではないかと思います・・・いくら、どんなに財宝に囲まれようと、美女に囲まれようと・・・・楊貴妃を失った空しさには耐えられなかったのではないでしょうか?
 本当に、愛する女性を手に入れる事・・・・それは、時として、天下を取るより難しく・・・男にとっての最大の夢だ!・・・・私は、そう思います。
解明された世界を強震させる真実のミステリー

どうか貴方自身の眼で確かめてみてください!

龍神楊貴妃伝1「楊貴妃渡来は流言じゃすまない」


ペーパーバック版、電子書籍版

龍神楊貴妃伝2「これこそまさに楊貴妃後伝」


ペーパーバック版、電子書籍版