龍神楊貴妃伝

高野山女人禁制の謎(女性の解脱を認めた真言密教がなぜ?)

●女性の解脱を認めていた真言密教

 高野山は、特に、女人禁制(にょにんきんせい)の寺で知られ、明治39年(1906)、女性の定住(ていじゅう)が許されるまで続きました。
 女人禁制は、他の寺社でもあったことですが、高野山の女人禁制は、特に厳しく、空海の母ですら入山(にゅうざん)を許されなかったと伝わっています。
 この理由は、信仰(しんこう)における女性蔑視(じょせいべっっし)だと言われていますが・・・はたして、そうでしょうか?
 理趣経(男女の愛欲を肯定する経文)で、述べたように、他の宗派は、ともかく、真言密教(しんごんみっきょう)は、男女の愛を認め、女性も、男性と同じように解脱(げだつ)出来るのだと 考えていた宗派です。この真言密教が、女性を蔑視(べっし)していたとは思えません。何か別の理由があるのではないでしょうか?

●高野山と山岳信仰

 高野山と密接に、繋(つな)がっているものに山岳信仰(さんがくしんこう)があります。

●女神と言われている山の神

 山の神の祭礼には、女性の参加は許されていませんでした。これを男尊女卑(だんそんじょひ)の思想の 現(あらわ)れだという意見がありますが、私はそう は思いません。
 山の神は、女性だとされているからです。信仰の対象が、女性だというのに、なぜ、女性を蔑視(べっし)する思想から差別(さべつ)が生まれたというので しょう?
 女神(めがみ)であるから、出産(しゅっさん)や月経(げっけい)の穢(けが)れを特に嫌う・・・などと言われていますが、男神(おとこかみ)ならとも かく、女神が出産や月経の穢れを嫌うというのは、私にはワケがわかりません。 

●なぜ、女神が、女性を嫌う?

 山の神は醜女(しゅうじょ)で、美しいものを嫌うのだ(だから、女性を嫌う)という話もありますが、山(サン)の神の別名は、「サの神」又は、「佐 保姫(さほひめ)」です。 
 「サクラ」「サツキ」「サオトメ」などの語源になったと言われていて、とても、美しい女性のイメージがあります。
 山の神が醜女(しゅうじょ)だというのは、おそらく、祭礼への「女人禁制(にょにんきんせい)」を説明するために作られた話ではないでしょうか?
山の神
熊野の山中で見られる山の神

●山の神の祭礼は、女神との生殖行為だ

 私は、熊野の山中で、作り物の「男根(だんこん)」が山の神に供えられているのを見た事があります。そして、調べてみるとこういった風習は熊野だけでな く、日本全国にあるようです。

 映画の「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」を御覧になった方はいらっしゃるでしょうか?・・・このラストシーンでは、男根をかたどった神木が、女性器をかたどった的 に向けて 突入していきます。もちろん・・・これは、映画の中のフィクションなのですが、山の神との祭礼では、同じような儀式が全国各地で見られます。

 すなわち、私は、山の神の祭礼(さいれい)というのは、生殖行為(せいしょくこうい)とからんでくるのではないか?と思います。つまり、山の神の祭礼と いうのは、山の神との契約(けいやく)の儀式であり、交合(こうごう)の儀式ではなかったでしょうか?

 そうだとしたら、他の女性が入ってくるのはまずい・・・・わけで、女人禁制(にょにんきんせい)は当然だ!という事になります。

●高野山の女人禁制は、女神・楊貴妃崇拝である

 高野山の女人禁制(にょにんきんせい)も、同じ意味ではないか?と私は思います。
 高野山が、楊貴妃を祀るのだとすれば・・・高野山は、楊貴妃の胎内(たいない)であり、楊貴妃との交合の場(もちろん、精神的な・・・)です。
 そんな場所に、女性を立ち入らせる事は出来なかったでしょう・・・・・ましてや、母親など・・・・とんでもない!・・・・という話だったに違いないと私 は思います。

参考
山の神 女神であることから出産や月経の穢(けが)れを特に嫌うとされるほか、祭の日には女 性の参加は許されてこなかった。山の神は醜女(しゅう じょ)であるとする伝承(でんしょう)もあり、自分より醜(みにく)いものがあれば喜ぶとして、顔が醜いオコゼを山の神に供える習慣もある。なお、山岳神 がなぜ海産魚のオコゼとむすびつくのかは不明で、「やまおこぜ」といって、魚類のほかに、貝類などをさす場合もある。

桜は神様が宿る木としてサクラ(さ座(くら))と呼ばれるようになったのが起源なのであろう。ま た古代、さ神様こと山の神様は、祖先の霊であると信じ られていた。こうやって暦代わりに使われた桜は、種蒔き桜、田打ち桜などと親しんで呼ばれてきた。
佐保姫 
平城京の東に佐保山(さほやま)(現在の奈良県法華寺町(ほっけじちょう)法華町(ほっけちょう))があるためにそこに宿る神霊(しんれい)佐保姫(さほ ひめ)を春の女神と呼ぶようになった。白く柔らかな春霞(はるがすみ)の衣をまとう若々しい女性と考えられ。この名は春の季語であり和菓子の名前にも用い られている。 
山の神と性行為

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どうか貴方自身の眼で確かめてみてください!

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